料理を通じて子供たちの能力を引き出し心を育成する「ハクシノレシピ」(前編)

2021.03.10

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食品メーカーやレストラン、フードデリバリーサービス、レシピ情報サイトなど、食関連の企業やサービスは多岐にわたっています。教室に生徒を集めて料理を教える料理教室などもその一つですが、子供、特に幼児向けに特化した「ハクシノレシピ」というサービスをご存じでしょうか。


株式会社Hacksiiが運営するハクシノレシピのWebサイト

 

株式会社Hacksiiが運営するハクシノレシピは「レシピのない実験型料理教室」というコンセプトで2018年11月にスタートしたサービスで、現在は料理を活用した親子向け幼児教育サービスとして2021年4月以降の提供開始に向けて現在モニターテストを行っているとのこと。幼児向けの料理教室ではなく、「子供の能力や心の育成を目的とした幼児教育サービスとしてサービスを設計している」(Hacksii代表取締役社長の高橋未来氏)のだそうです。

 


株式会社Hacksii代表取締役社長の高橋未来氏

 

2021年1月から3月まで3カ月間にわたって14人の参加者によるモニターサービスを実施しているハクシノレシピでは、「親子のコミュニケーションをサポートする」、そして「レッスンを通じて子供に成功体験を与える」という2つのことを行います。具体的なサービス内容は「レッスン」、「フィードバック」、「コミュニティ」の3つです。

 


ハクシノレシピのサービス内容

 

レッスンは、パソコンを使って音声付きのスライドを見ながら親子で調理を進めていくスタイルになっています。毎月用意されるテーマに沿って進めていきますが、材料も使う道具も味付けも、全て自分で決めてオリジナルのレシピを生み出していくというのが特徴です。レッスン中は、どのように子供に声がけをしているかをワイヤレスヘッドセットを使って録音します。

 


ヘッドセットを装着してレッスンをしながら、

子供に対して声がけしている様子を録音します

 


レッスンスライドの一例。まずは基本を学んでいきます

 


レッスンスライドの一例。

こちらは実践するレシピのテーマ(旬の野菜の汁物)

 

レッスンが終わったら、自分で付けた料理の名前や頑張ったこと、次に頑張りたいことなどを発表し、その内容をスマートフォンで撮影。レッスン中の音声データと発表動画をハクシノレシピに提出します。

 


モニターメンバーによる活動報告もWebサイト上で見られます

 

フィードバックは保護者向けと子供向けの2つが用意してあります。

「保護者向けにはレッスン中の音声データを分析してキーワードを抜き出します。その中でどのようなコミュニケーションを取ったのかを6つに分類し、コミュニケーションのサポートを行います」(高橋氏)

 


フィードバックのサンプル

 

臨床心理学者で「自己肯定感」の専門家である立命館大学名誉教授の高垣忠一郎氏とのディスカッションの中で得たヒントを基に、「意見の尊重」や「信頼」を感じられるキーワード、そうではないキーワードを分類したそうです。その上で、親子のコミュニケーションの中で出てきた「素敵コミュニケーション」、改善が必要な「変換コミュニケーション」を抜粋し、課題を解決する方法を提案するというのがフィードバックの内容です。

 

「意見の尊重」や「信頼」を感じられるキーワード、そうではないキーワードを分類したそうです。その上で、親子のコミュニケーションの中で出てきた「素敵コミュニケーション」、改善が必要な「変換コミュニケーション」を抜粋し、課題を解決する方法を提案するというのがフィードバックの内容です。

 

子供に対してのフィードバックは、アニメーションを活用したメッセージで行います。「『やって終わり』ではなく、行動の意味付けを行うことによって成功体験につなげます」(高橋氏)

 

コミュニティは会員専用のSNSを用意します。

 

「これでレッスンを記録するだけでなく、会員同士のやりとりや先生からのコメントによって、子育ての孤独が解消され、ポジティブなコメントから自信につながることもあると考えています。」(高橋氏)

 

料理の「試行錯誤」が幼児教育に最適

親子向け幼児教育として料理に着目した理由について、高橋氏は「料理は失敗ができるので、試行錯誤にぴったり」だと語ります。

 

「試行錯誤ができるだけでなく、家事役割を担うことで家族の一員であるという自覚につながります。そして何よりも、親子が同じ目線で楽しむことができます。この三つの理由から、私たちは子供の自己肯定感と自信を育むためには、料理が最適なコンテンツであると考えています」(高橋氏)

 


試行錯誤と家事の役割分担、親子が同じ目線で取り組めることが、

子供の自己肯定感を育むためのコンテンツとして料理が最適とのこと

 

現在は14人のユーザーを対象にしたモニターサービスを実施しており、4月には一般を対象に月額980円(税別)のサンプル版サービスを開始する予定(フィードバックサービスは別途月額1000円/税別)とのことです(※)。

※料金体系やサービス体系などは変更になる可能性があります。

 

モニターサービスについては「想像以上にいい評価だったと感じています」と高橋氏は語ります。

 

「スライド教材に少し物足りなさを感じるかなと思っていました。お子さんとレッスンをしている様子を撮影した動画を送ってくれた方がいたのですが、とても楽しそうにしているのが分かってよかったです」(高橋氏)

 

では、ハクシノレシピがどのような経緯で生まれて、どのようなサービスになろうとしているのか、後編でご紹介していくことにしましょう。

この記事の著者のプロフィール

安蔵靖志

Techジャーナリスト

一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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