AIはこう考える

2021.03.06

KEY WORD関連キーワード

AI技術の応用の一つに推薦機能があります。”推薦”という日本語ではなくて、英語で”リコメンデーション”と言われていたりもしますね。オンラインショッピングや動画投稿サイトで、現在表示されている商品やコンテンツに加えて、関連している商品や、”あなた”という特定のユーザが他に興味がありそうなコンテンツを追加で表示してくれる機能です。

 

裏では大量に集められたデータとその属性情報に基づいて、商品同士の関連性やユーザーの好みとの相性度などが、機械学習とよばれるAI技術によって自動的に計算されて、推薦機能が実現されているのです。新しいものに出会いたい、今までにない発見をしたいという私たちの飽くなき欲求を少しでも満たしてくれるサービスがAIによって実現されています。

 

さて、そういったサービスの中でも、マンガコンテンツに特化したものが最近世の中にでてきました。アル株式会社が提供するMangaNearestMapというサービス( https://alu.jp/MangaNearestMap/ )で、マンガのタイトルを教えると、関連する似ているマンガをAIが自動的に推薦してくれます。

 

サービスを提供するシステムの中では、大量に蓄積されたマンガに関する情報が網の目のように結びついております。似ているマンガは近い位置で結びついているイメージです(図1)。入力したマンガに近いところにある他のマンガを検索してくれるというわけですね。

図1:マンガ空間

 

このMangaNearestMapが優れているところは、システムに蓄えらたデータとその属性をさらに応用することで、推薦機能が大幅に拡張できることです。

 

検索に使うキーワードを、マンガのタイトルに加え、”タグ”という補足情報も与えることで、検索プロセスがより人間に理解しやすい概念になります。例えば、単にマンガタイトルに『ワンピース』とだけを入れると、似ているマンガとして『ナルト』や『スラムダンク』が推薦結果として出てきます。当たり前といえば当たり前のような気がしますね。しかし、タイトルに加えタグ情報を入れると、具体的には、ワンピース+”料理人”とタグを加えてみましょう。結果は、『トリコ』や『食戟のソーマ』、『中華一番』が出てきました(図2)。

 

確かに、『食戟のソーマ』は、ワンピースにあるような主人公の成長ストーリーをベースに料理という切り口を加えた結果となっています。ありきたりの推薦ではなくて、スパイスが効いた検索でより実用人間の感性に近づいた結果といえるでしょう。このタグ情報を用いた推薦機能は今後リリース予定です。

 

 

図2:『ワンピース』+”料理人”

 

では、『課長 島耕作』に”食事をする”とタグを加えるとどうなるでしょう。結果は、『孤独のグルメ』がでてきました(図3)。中年のビジネスマンが食事をする漫画=『孤独のグルメ』、非常にわかりやすく納得感のある結果と言えるのではないでしょうか。

図3:『課長 島耕作』+”食事をする”

 

同じようなサービスは食事の世界でも考えられます。IBMのシェフ・ワトソンなどレシピの内容そのものを創造してくれるAIもありますが、人間によって作られたすでに十分に評価されたレシピも無限の選択がありますので、そのデータを活用しない手はないでしょう。とはいえ、無数のレシピの選択肢のから毎日の献立を選びだすののも一苦労です。

 

そこで、このようなAI技術を応用した検索サービスに大きな期待が寄せられているのです。コンテンツの対象をマンガではなく、料理やレシピにすることも原理的には可能です。もし実現すればMangaNearestMapの推薦機能は、レシピ向けに進化します。例えば、”焼きそば”に”楽園”という一見まったく関連性のないタグを入れてみると、”パッタイ”などがでてくるかもしれません。確かに、タイ風焼きそばのパッタイからは、タイの南国の楽園の雰囲気が伝わってくるのかもしれません。

 

このみるのAIも大量のデータに基づくという同じコンセプトで開発されており、将来的に同様のサービス提供も考えられています。

この記事の著者のプロフィール

ピープルトラスト研究所

データサイエンティスト/ピープルアナリスト

この記事では、AIやデータサイエンスを元にした食に関する情報を紹介していきます。著者のピープルトラスト研究所は、人を対象にしたAIテクノロジーの研究や、データ分析をしている研究所です。Food Techをはじめ、HR TechやEdu Techなど幅広い領域で、人が幸福に暮らせるための研究を行っています。

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