調理のタイムシフト

2020.12.18

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■共働き家庭の増加でニーズが高まる「調理のタイムシフト」

新型コロナウイルス禍のステイホーム生活によってにわかに人気が高まっているのが電気圧力鍋をはじめとする調理家電ですが、その中でも特に注目されているのがシャープの電気調理鍋「ヘルシオ ホットクック」です。食材や調味料の水分だけを使って調理する「無水調理」ができる、ヘルシー志向の電気調理鍋として2015年に登場したヘルシオ ホットクックは、毎年最新モデルを発売し続ける大人気シリーズになっています。

 


シャープの「ヘルシオ ホットクック HN-KW24F」


ヘルシオ ホットクックで作った「無水カレー」

人気の理由は無水調理にもありますが、数々のメディアに取り上げられて注目された大きな理由の1つが「時短調理」、さらには調理時間を好きな時間にずらせる「調理のタイムシフト」が可能な点にありました。

 

■古くは炊飯器から始まった「調理のタイムシフト」

早朝にお弁当を作るため、帰宅後にすぐ夕食にできるように予約炊飯をセットするのは多くの人が利用されていると思います。1950年代に電気炊飯器が登場した当初から、予約炊飯は当たり前の機能としてありました。炊飯機能に限るものの、時間がかかる炊飯の吸水や加熱を事前にセットすることで実現した調理時間のタイムシフトです。

しかし一方で、おかずを作る調理に関してはタイムシフトが進みませんでした。それは肉や魚などの食材を鍋に長時間入れておくと、腐敗してしまう危険性があるためです。生ものを扱う調理の予約はできないという常識を覆したのがヘルシオ ホットクックでした。

ヘルシオ ホットクックの予約調理機能の仕組みはシンプルです。スタートした直後に、内鍋内の食材が腐敗しやすい40℃前後の温度帯を超えるまで加熱します。予約時刻に近付いたら、おいしくできあがるように再度加熱して仕上げるという仕組みです。温度センサーと細かい温度調節が予約調理を可能にしただけでなく、内鍋内の食材を自動的にかき混ぜる「まぜ技ユニット」が予約調理メニューの幅を広げることにつながりました。


ヘルシオ ホットクックシリーズは、

内鍋内の食材を自動的にかき混ぜる「まぜ技ユニット」を搭載しています

 

現在では象印マホービンの「煮込み自慢 EL-MB30」やパナソニックの「SR-MP300」、アイリスオーヤマの電気圧力鍋「KPC-MA4」など、多くの電気圧力鍋が予約調理に対応しており、「朝、出かける前に夕飯のおかずをセットする」といったことが手軽にできるようになっています。


象印マホービンの「煮込み自慢 EL-MB30」


パナソニックの「SR-MP300」


アイリスオーヤマの電気圧力鍋「KPC-MA4」

 

家事をする時間をなかなか捻出できない共働き家庭にとって、かなりありがたい新たなトレンドと言えるでしょう。「ルーチンのAとBの作業をする間なら時間が取れる」……みたいに思い当たる節がある人なら、こういった調理家電を活用するチャンスがあるのではないでしょうか。

 

■レシピアプリにもタイムシフトの流れが

時間の余裕がある週末にまとめて常備菜を作って冷蔵・冷凍保存し、平日にそれらを消費していくという最近のトレンドも、調理タイムシフトのスタイルの1つです。こうしたニーズも含めて活用できるのが、スマートフォンアプリの「conomeal kitchen(このみるきっちん)」(iOS対応)です。簡単なアンケートでユーザーの食に対する好みを診断し、その人に合わせたレシピを提案してくれるというものですが、手軽に作り置きができるようなレシピの調理手順になっているのが特徴なんです。

一般的なレシピアプリのように食材や調理法を設定してレシピを選ぶこともできますが、「楽しい」、「ほっとする味」、「好きな人と」など、目的や気分などでザックリと選べて、「ミールキット」(温めるだけ、サッと調理するだけでできる状態)を作れるようになっています。5日分のおかずの食材を一気に切ってから、それぞれの調理法でミールキットを作るといったように、最大5日分のおかずの調理手順を提案してくれるので、調理のタイムシフトと調理の時短を同時に実現できるというわけです。


目的や気分に応じてレシピを提案してくれるiOS向けの

「conomeal kitchen(このみるきっちん)」アプリ

 


作る「ミールキット」を選んだら、

効率よく調理できるように手順を提案してくれるのが便利です

食材と調味料などがセットになっていて、温めるだけ、もしくはフライパンや鍋を使って調理すればできあがり……というのはミールキットのイメージだと思いますが、それを自宅で、しかも5日分の主菜を自分で作るというのがユニークなポイントです。毎日の調理も大変ですが、メニューを決めるのもなかなか大変な作業です。時短調理やタイムシフトに興味がある方は、まずconomeal kitchenアプリから使ってみるのもいいかもしれませんよ。

この記事の著者のプロフィール

安蔵靖志

Techジャーナリスト

一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout 家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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