房州たてやま『禁断の果実』ブランド化を目指す

2020.12.17

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完熟いちじくは、市場に出ない?

こんにちは千葉県房州地区の食べる担当「おかじ」です。
千葉県の房総半島(館山市)に移住して、地域の食についてレポートしています。
今回は、最近まで収穫の時期を迎えていた禁断の果実こと「いちじく」についてご紹介したいと思います。

やわらかな果肉でとろけるような甘さが魅力の「いちじく」ですが、実はそのデリケートさゆえに、市場に流通しているのは完熟手前で収穫されたものなのだそう。
完熟いちじくに出会えるのは『いちじく狩り農園』での収穫体験か地元の直売所ということもあり、旬のこの時期に現地に足を運ばないと食べられない、そんな採れたての美味しい完熟いちじくが味わえる地として、館山ではいちじくのブランド化を目指しています。

いちじくは、原産地アラビア地方から東進し中国を経て渡来したという説と、寛永年間に西南洋の種を得て長崎に植え、ここから全国にひろまったという説があります。
明治末から大正初期にかけて多くの品種が、主としてアメリカから導入されていますが、日本は生果用の生産が主であり、欧米のような乾果産業が発達していないため栽培はあまり拡大しませんでした。
昔は、家庭果樹として1~2本はどの家庭にも植えられており、季節の味を楽しんだ世代には、根強い需要があります。

さらに、アンチエイジング効果、更年期障害の対策、便秘解消、そしてガンの予防にも注目のいちじく。女性に注目されているいちじく狩りは、地域にとって観光のきっかけになるのではないでしょうか。
一口にいちじくと言っても種類が豊富で、なんと日本には100種類以上もあるそう。たとえば、『館山パイオニアファームさん』で栽培される品種は、桝井ドーフィン、バナーネ、ネグローネ、ブルジャソットグリスの4品種が主体。カラフルで謎めいた魅力的な果実は、生で食べるだけに留まらずジャムやケーキなど加工食品、美容にも活用されています。

千葉県でのいちじく栽培の歴史

かつては、散在的な栽培がほとんどで、九十九里沿岸の地下水の高い砂地地帯に在来種が宅地内や空き地等に植えられていました。
昭和4年頃、千葉県(市原市姉崎)に広島県から桝井ドーフィン種が導入され、40アール(東京ドーム約85個分)の栽培を開始しました。このいちじく園が、戦後市原地域のいちじく栽培の振興の基をなしています。
昭和50年代後半には、地面に対して平行になるような2本の主枝を畝に沿って延ばし、その主枝から結果枝を立てた「一文字整枝仕立て法」が導入され、作業性が各段に向上したことと、水田転作作物として推奨されたことによって県内各地で栽培面積が増えてきます。
昭和60年代には、早期出荷による有利販売を目指し、県内各地でハウス栽培も始まり産地も拡大しています。

1本の木から30本ほどの枝を伸ばし、各枝に15個程度の実が着くように調整。こまめに余分の枝葉を落としていかないと、実が多くなりすぎて栄養が分散してしまったり、葉のせいで日が当たらず色づきが悪くなってしまったりするので、日々の手入れはかかせないそう。

ジレンマを観光のチャンスに!

収穫が1日遅れただけで成熟が進み、出荷に向かなくなることがあるため、朝と夕方の2回収穫作業を行うそうですが、実は出荷に向かなくなるくらい熟すと、甘さがさらに増すのだそうです。
甘さは増すが集荷に不向きになる、といったジレンマを解消するため『いちじく狩り』を地域で盛り上げています。

いちじくの語源「一日一個熟す」

最後に「いちじくの語源」を紹介しておきますね。

一日に1果ずつ熟すことから「一熟」→「いちじく」、1ヶ月で実が熟すため「一熟」→「いちじく」となったという説、中国名の「インジェクフォ」、「イヌビワ」から由来したなどの説があります。
いちじくは漢字で「無花果」と書かれるが、いちじくの果実は花です。果実の内部(多肉質の花托)には、多数の小花が密集しています。

いちじく狩りが楽しめるのは8月中旬から11月頃まで。
館山の禁断の果実を食べに来てください。

おまけ

この記事の著者のプロフィール

おかじ

鹿児島で営業職を10年ほど勤務の後、デザイナーを目指して2006年に上京。 広告デザインや宣伝広報の企画・制作・ブランディングに従事。 中でも映像制作ディレクターとして活動するうちに映像の面白さに惹かれ、2012年に映像制作会社に転職。 そこで新しく社内でデジタルサイネージのインタラクティブ部門を立ち上げ3年間かけて多くのコンテンツを開発し、世に送り出しました。 2018年3月、房総半島を起点に映像制作を中心としたフリーランスとして独立。 「映像をもっと気軽に。」をコンセプトに、映像制作やグラフィックの制作活動はもちろんのこと、自ら運営管理する地域密着のローカル動画共有サイト『房TUBE』を運営しながら、館山市の食の魅力を伝える地域おこし協力隊として活躍中。

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