Vol.1 盛⼭貴⾏さん(シェフ)〜前編〜

2020.11.23

「conomeal(このみる)」の生みの親である関屋英理子編集長が、開発に関わるさまざまなプロフェッショナルにインタビュー! 第1回目は、六本木の日本料理店「粲(sun)」で総料理長を務める盛山貴行さんです。レシピアドバイザーとして参画する氏は「conomeal(このみる)」をどのように捉えているのか、じっくり伺いました。

 

シェフの味を、おうちで楽しめる時代に! ?

関屋盛山さんに出会ったのは2016年です。当時から、「柔軟な発想を持った現代的な和食の料理人」というイメージがありましたが、最初からそうだったのですか?

盛山もともとは、オーソドックスな和食を極めようとしていました。「この食材の組み合わせは、日本料理じゃない」といった考えを頑なに守っていたほどです。それが変わったのは、ニューヨークの日本料理店に勤めてから。5年間、海外のお客様を相手にしているうちに、和食の技術を活かしながら、より多くの方に楽しんでもらいたいと思うようになりました。

関屋海外での経験が、今のスタイルを確立させたのですね。「conomeal(このみる)」ではレシピアドバイザーとして参画されていますが、レシピを分析されるのは平気なものですか?

盛山はい。僕のお店では、普段から誰でも自由にレシピを見れるようにしています。老舗店の料理人は、伝統の味を受け継ぐという大きな使命がありますので、そうはいかないかもしれませんが、僕にはそういった気負いはありません。今では「和食」というジャンルの枠にもこだわっていないほどです。

関屋普段はどんなことを心がけて料理をしているのでしょう?

盛山僕が大切にしていることは3つあります。素材と、火入れと、味付けです。この3つを「conomeal(このみる)」にインプットすれば、誰でもおいしい料理が作れるようになるのではないでしょうか。苦手と感じる人や、面倒と感じる人も料理の機会が増え、食そのものへの関心も高められます。

関屋我々も「conomeal(このみる)」を、気軽においしい料理が楽しめるプラットフォームにしたいと考えています。いずれは、誰でもシェフの味を楽しめるようにしたい。レストランのようなクオリティの高い味を、たくさんの人に届けたいと考えています。

盛山言うなれば「シェフの味の大衆化」ですね。きっと未来の人たちは、今よりずっと気軽にとびきりおいしい料理を楽しんでいるはずです。

 

どんな人にも平等に、おいしい料理を届けたい。

関屋私にはもう一つ、「conomeal(このみる)」で叶えたいことがあります。それは、健康上の問題を抱えている人にもおいしい料理を楽しんでいただくことです。

盛山最近では塩分や脂質を抑えたり、柔らかくして噛みやすくするなど、さまざまな工夫を施した食品が店頭に並んでいますね。

関屋市販の食品は徐々に増えているものの、普段の料理に活かせるレシピはまだまだ限られます。料理人や管理栄養士が、一人ひとりにぴったりのレシピを用意するには時間もお金もかかりすぎるからです。ここでこそ、「conomeal(このみる)」を活用したい。盛山さんに教えていただいたレシピをベースに、ユーザーの体質や好みに合わせたレシピをAIが自動的に生み出せるようにすることが目標です。

盛山まさに「食のパーソナライズ化」ですね。僕もできる限り協力します。

関屋「conomeal(このみる)」が進化すると、「家でおいしいものが食べられるなら、外食しなくてもいい」と考える人も増えるかもしれません。料理人として、抵抗感はありませんか?

盛山まったく気にならないですね。レストランは料理を楽しむだけの場ではありません。シェフが培ってきた技術や伝統、会話やその場の雰囲気など、すべてを味わう一期一会の空間です。これこそが、AIにはまねできないレストランならではの魅力ではないでしょうか。

関屋音楽の世界でも、音楽配信が普及したことで、ライブが再評価されるようになりました。多くの人に届けるか、リアルな体験を提供するか。それぞれに良さがありますよね。

盛山今後、飲食チェーン店では、AIを導入する動きが活発になるかもしれません。しかし、レストランでは今まで通りシェフが自らメニューを考え、腕を振るっていくはずです。どちらを選ぶかはお客様次第。選択肢が増えるのは、いいことだと思います。
それをきっかけに思いもよらない新たな食文化が生まれて、飲食業界全体が活性化するかもしれません。僕も「conomeal(このみる)」という新たなチャレンジを通じて、飲食業界の発展に貢献していきたいと思います。

プロフィール

レシピアドバイザー 盛山貴行

六本木に構える日本料理店「粲(sun)」の総料理長。都内で料理人としてのキャリアをスタートさせ、26歳で渡米。ニューヨークの日本料理店「響屋」で5年間研鑽を積み、日米の経験を織り交ぜた独自のスタイルを築く。国内外のイベント出演や、料理監修など、幅広く活躍中。

この記事の著者のプロフィール

関屋英理子

このみる研究所編集長

株式会社ニチレイで新規事業開発担当。「conomeal(このみる)」と言う個人の食の好みを分析する仕組みを使った事業を開発するのが私の仕事です。 「conomeal(このみる)」を通じた食の楽しみ方、時々新規事業のことなどを発信していきます。

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