女性の大敵・貧血~毎日の食事で貧血予防しよう

2020.12.09

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若い女性に多い「貧血」。だるさや疲れやすさなどなんとなく不調を感じながらも、検診などで採血検査をして貧血でない限り、気づきにくいのが鉄欠乏性貧血です。

貧血セルフチェック

下記のチェック項目に当てはまるものが多いほど、貧血に注意する必要があります。

【食生活について】

・朝食を食べない(または1日1~2食)

・インスタント食品で済ませることが多い

・外食やコンビニ弁当が多い

・ダイエット(減量)している

【女性の場合】

・月経時の血液量が多いほうだ

・妊娠中または授乳中である

・子宮筋腫、子宮内膜症にかかっている

【日常の体調について】

・疲れやすい

・顔色が悪い、青白いと言われる

・階段を昇ると息切れやめまいがする

・動悸がする(胸がどきどきすること)

・朝、起きるのに時間がかかる

・首や肩凝りがある

・爪が割れやすい

・まぶたの裏側の粘膜が白っぽい

 

鉄はどんな働きをするのか

鉄は血液の材料になる大切な栄養素です。血液中の赤血球のヘモグロビンやミオグロビンを構成する材料となっており、この赤血球というのは体内の様々なところに酸素を運ぶ重要な役割を持っています。

鉄が不足すると、このヘモグロビンの生成が十分に行われなくなるので、貧血を引き起こします。貧血は約90%が鉄欠乏性貧血で、慢性的に鉄の摂取量が不足すると起こります。

女性特有の月経過多や出血を伴う病気、子どもの成長期、妊娠している女性や授乳中の女性では体内での鉄の必要量が増えますので、食事からの摂取では追い付かずに貧血を起こすことがあります。

 

貧血を起こしやすい人

月経のある女性

月経中に失われる血液量は約45㎎といわれています。かなり多いのです。

妊娠中・授乳中の女性

胎児にも酸素を送っているので妊娠していない時と比べて多くの鉄が必要になります。

ダイエットをしている人や偏食の人

食事の全体量を減らした場合、鉄だけではなく他の各栄養素やエネルギーが不足します。

成長期の子ども

急激に身体の成長により、鉄の必要量が増えます。

高齢者

加齢に伴い少食となり食事量が減っていくことに加えて、胃での鉄吸収力が低下します。

出血を伴う病気を持っている人

胃潰瘍、痔、子宮筋腫や子宮内膜症など出血を伴う病気があると、貧血になることがあります。

スポーツやトレーニングを行う人

激しい運動時の一時的な血尿、体への衝撃で赤血球が破壊されることがあります。

また、鉄は体内で再利用されているのですが、尿、汗、皮膚、毛髪、爪から失われています。スポーツやトレーニング習慣がある方は汗をかきますので、発汗による鉄の損失があるため鉄不足には注意が必要です。

 

鉄を効率よくとる工夫

鉄は体内での吸収率が低い栄養素で、平均の吸収率は約15%といわれています。食品のなかに含まれる鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄は主に肉、魚などの動物性の食品に含まれます。非ヘム鉄はヘム鉄以外の鉄をさし、穀類、野菜、豆類などの植物性食品、卵や乳製品に含まれています。吸収率はヘム鉄のほうが高いと言われています。

女性は毎月月経により血液が失われること、そして妊娠中はさらに鉄の必要量が高まりますので、男性と比較して鉄が必要になります。

日本人の食事摂取基準2020によると、食事からの鉄は18~49歳の女性(妊娠しておらず月経がある)で1日10.5mg、18~49歳の男性で1日7.5㎎が推奨量とされています。

 

貧血予防のための食生活ポイント

1日3回、きちんと食事を摂る

食事回数が少ないと、食事量が減るので、必要な栄養素や鉄は取り切れません。鉄以外にも血液を作り、鉄の吸収にかかわるビタミン、ミネラルがあります。カロリーが多くビタミン、ミネラルが少ないお菓子やインスタント食品だけで食事を済ませるのはNG。

 

鉄を多く含む食品を意識する

鉄を多く含む食品について、下記を参考にしてみてください。ヘム鉄は吸収率が約30%、非ヘム鉄は約5%となっています。これらの食材以外にも、肉、魚、大豆、卵、乳製品などに含まれるたんぱく質は、赤血球やヘモグロビンの材料となる栄養素のため、鉄と同様に大切です。毎回の食事でとるように心がけたい食材です。

外食やテイクアウトの総菜でも鉄を多く含む食材を使用したメニュー選びをしてみると良いでしょう。

鉄を多く含む食品(1回に食べる量で算出)

ビタミンCは鉄の吸収を助ける

ビタミンCは吸収されにくい非ヘム鉄を、吸収しやすいかたちに変えて吸収率を高めてくれる役割をします。また、かんきつ類や梅干しに含まれるクエン酸は酸化防止効果があり、鉄の吸収率を上昇させます。一緒に摂ると良いでしょう。

 

この記事の著者のプロフィール

加藤知子

管理栄養士、看護師

一般社団法人食サポートオフィス代表理事。主に医療機関に勤務し、通院患者さんの栄養状態の管理や外来での食事相談を担当。Webサイト・雑誌・書籍への掲載やレシピ提案も精力的に行っている。

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