日本酪農発祥の地で開発された「嶺岡豆腐」一度食べてみて!

2020.10.27

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「嶺岡豆腐」をご存じでしょうか?

こんにちは千葉県房州地区の食べる担当「おかじ」です。

千葉県館山市に移住してきて約1年半が経とうとしていますが、実は移住してきてすぐに衝撃的に美味しい豆腐と出会ったことをお話ししたいと思います。

私は館山市の地域おこし協力隊をしていますが、市役所の担当の方から絶対おすすめと言って教えてもらったお店が、お隣の南房総市にある「隠れ家 典膳」さん。
地元の山菜や自家栽培の野菜などの前菜、地魚のお造り、千葉県産厳選食材の串、炭火焼、最後は麦とろ御飯とデザートなど地域産の食材が詰まったコース料理が堪能できます。

そこでコースに入っているのが今回ご紹介する「嶺岡豆腐」です。

お豆腐というと原材料には大豆を沢山使っていて、毎日お味噌汁に入っているような、日本人にとって日常的な食べものというのが一般的なお豆腐だと思います。

しかし嶺岡豆腐は、なんと原料が「牛乳」で出来ているということなのです。

出されたのは見た目が上品で可愛らしく、匙ですくって食べると“とろ~ん”とした口触りで優しい味、とにかく食べてみてほしい一品。
この日から私は嶺岡豆腐の大ファンとなった訳です。

 

「日本酪農発祥の地」

牛乳で出来ている嶺岡豆腐というご紹介をしましたが、そもそもこの地域ではなぜ牛乳で豆腐を作ったのでしょうか?
千葉県鴨川市と南房総市の境にある嶺岡連峰を嶺岡(みねおか)と言い、昔はこの一体が千葉県安房の国を治めていたそうです。
そして昭和38年5月“日本酪農発祥の地”として「千葉県史跡」に指定されています。

古くは平安時代から房総の広い牧場には馬が放し飼いにされていて朝廷に納められ、鎌倉時代、戦国時代には日本の武家としてはじまった氏族のひとつ、里見家の一族である大名・安房里見氏が房総地方を領地として10代170年にわたって安房を支配し、軍馬を育成していました。

しかし10代忠義が病死したため里見氏は断絶、領地を没収されて今の鳥取県倉吉市に移され、この時に館山城も壊されています。

幕府直轄地となった嶺岡牧はその後100年間は積極的な経営がなされず、幕府が積極的な経営に当たるようになったのは、文武の奨励と産業振興に努めた八代将軍吉宗のからなのだそう。

 

八代将軍吉宗(暴れん坊将軍)の先見!白牛との関係

 

 

江戸時代の中ごろ、当時長崎のオランダ人や中国人から外国の文物や学術枝芸・制度などを取り寄せ学ぶなど新進の気性に富んでいた八代将軍吉宗(暴れん坊将軍)でしたが、軍馬改良のための馬と共に1728年にインド産といわれる白牛(乳牛)3頭を輸入し嶺岡牧で飼育を始めました。
白牛の頭数を増やしながら改良を進めるとともに、搾った牛乳で疲労回復の強壮剤、労咳や解熱を効能とした薬などとして用いた“白牛酪”というバターに似た乳製品や傷薬として使った“御生薬”の製造。
最初は将軍家に献上品として差し出されましたが、数が多くなると日本橋の「玉屋」という店で庶民へも売られるようになり、そのことが日本の酪農の始まりとされています。

 

「八代将軍吉宗、豆腐が食べたい!」

あるとき吉宗公が視察に来て牛乳を見るなり、付き添い料理人に「豆腐が食べたい」と言ったそうです。
昔はこんな山の中に豆腐屋などなく、大豆もにがりも手に入らずに困った料理人は、胡麻豆腐の要領で山にあった葛と言うつる性の植物の根っこから穫った葛粉を固め、豆腐らしき物を作って恐る恐る吉宗に食べさせたところ「うまい!」と言ってくれたのだそう。
それが「嶺岡豆腐」の始まりと語れています。

日本料理では牛乳を使った料理に「嶺岡~」と名前がつくそうで、もともとこの千葉県の嶺岡で乳製品を作っていたことがルーツと言われています。

 

それでは、最後に今回も私が制作した「隠れ家 典膳」嶺岡豆腐つくりの様子を動画でご覧ください。

店主、山本剣さんは南房総市三芳地区の牛乳と館山産落花生のペースト、地元の名水やお酒を葛(くず)粉とともに練り上げた商品を開発。「地域のカフェや飲食店で独自の嶺岡豆腐が生まれ、みんなで南房総を盛り上げていきたい」と話しレシピを公開して提供しています。

この記事の著者のプロフィール

おかじ

鹿児島で営業職を10年ほど勤務の後、デザイナーを目指して2006年に上京。 広告デザインや宣伝広報の企画・制作・ブランディングに従事。 中でも映像制作ディレクターとして活動するうちに映像の面白さに惹かれ、2012年に映像制作会社に転職。 そこで新しく社内でデジタルサイネージのインタラクティブ部門を立ち上げ3年間かけて多くのコンテンツを開発し、世に送り出しました。 2018年3月、房総半島を起点に映像制作を中心としたフリーランスとして独立。 「映像をもっと気軽に。」をコンセプトに、映像制作やグラフィックの制作活動はもちろんのこと、自ら運営管理する地域密着のローカル動画共有サイト『房TUBE』を運営しながら、館山市の食の魅力を伝える地域おこし協力隊として活躍中。

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