健康づくりの秘訣は「塩」との付き合い方にあった!

2020.10.25

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先日、仕事で管理栄養士向けのインタビューを受ける機会がありました。そこで質問を受けたのが「食生活で気を付けていることは何ですか?」ということでした。

カロリーを必要以上に摂りすぎないこと?安全な食材を選ぶこと?

答えは「食塩を摂りすぎないこと」です。これは多数の管理栄養士が実践している健康の秘訣なのです。

実は将来の健康をつくるのに食塩摂取量を控えることは大切です。

 

日本人は食塩を摂りすぎている

食塩そのもの以外にも、しょうゆ、味噌、ソース、ドレッシングのような調味料、うどんやパン、チーズ、ハム、ちくわなどの加工品、梅干しやキムチなどの漬物などの食品にも含まれています。

1日の食塩摂取の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。一方で、平成29年国民健康・栄養調査の結果によると、食塩摂取量の平均値は9.9g、男性10.8g、女性9.1gで、摂りすぎている人が多い状況となっています。

 

塩を減らすメリット

塩の摂取を減らすことを「減塩」や「適塩」「節塩」と言います。減塩にはどんな良い効果があるのでしょうか。食塩の過剰な摂取は、早期の高血圧症を招くということが統計や研究結果からわかっています。高血圧の状態が長く続くと、心臓や腎臓の病気や認知症の一因となることが指摘されています。食塩の摂りすぎを防ぐことは高血圧を予防するだけではなく、胃がんの予防などにもなり、若い人や健康な人でもできる限り食塩を摂りすぎない方が良いのです。

1日あたりの食塩摂取量を減らすことに着目されがちですが、それよりも「いままで生きてきたなかで、どれだけ食塩を摂取したか」「そしてこれからどれくらい食塩を計画的に摂取していくか」がポイントになります。日本人の寿命は延びており、人生100年と言われるようになりましたが、長い人生においては年齢が低い方や、現在の血圧が正常値であり特に問題ないという人が一次予防として食塩を減らすことが大切と言えます。

 

ところが、食事の相談やカウンセリングを行っていると、「カロリーや糖質については商品の栄養成分表示を確認するなど気にかけるけど、塩は気にしていない」という声が多く聞かれます。

食塩の摂取量を減らすことは「未来の健康づくりへの投資」になり、将来の医療費の自己負担額も削減することが出来ます。将来、正常な血圧を保つために塩を減らしてみませんか。

 

食塩を減らすための5つのルール

食塩摂取量を減らすことは難しいと思いがちですが、食生活の中で減塩のためのマイ・ルールを決めておくと、うまくいきやすくなります。

1.調味料や加工食品に含まれる食塩の量を知る

食塩、しょうゆ、みそ、ソースなどの調味料だけでなく、加工食品に含まれる食塩摂取量について知り、自分がよく食べる食材や料理の食塩含有量をおおまかに把握しましょう。普段よく使用する調味料があれば、小さじ1杯または大さじ1杯あたりの食塩量を把握しておくと役立ちます。

サラダやフライ、てんぷらなどを食べるときにかけすぎないように注意しましょう。小皿に調味料をあらかじめ計って出しておき、付けながら食べると調味料のかけすぎを防げます。

 

2.外食は1日1回程度にする

在宅勤務の割合が増えた方のなかには、外食の機会が減り、自炊をする時間ができた人もいらっしゃると思います。

外食や弁当、市販の総菜は食塩が多めになっています。例えば昼食で外食をしたら夜は自炊で食塩控えめのメニューにするなど、メリハリをつける工夫をすればOK。

 

3.味のついた主食料理は週1~2回に調整

味のついた主食というのは、めん料理、炊き込みご飯、味付きのご飯、寿司、丼物、カレーライス、チャーハン、オムライスなどです。麺料理は1人分あたり約4.0~8.0gほどの食塩が使用されており、料理の中でも特に食塩が多くなっています。麺料理を食べるときは汁・スープを全て飲み干さずに、残すようにすると食塩摂取量を減らすことができます。毎日のように食べていると食塩の摂りすぎを招くので、食べる頻度を減らします。

 

4.汁物は1日1回を目安にする

味噌汁やスープは具だくさんにすると野菜類も摂取できるのでとても良い料理です。その際は汁は少なめにするか残し、具をいただくようにします。

1杯あたりの汁の量にもよりますが、食塩1.5~3.0gはあります。1日1回程度にするなど、3で紹介した「味のついた主食料理」を食べた日は汁物は飲まないようにするなど、重ならないようにすると良いでしょう。

 

5.食塩控えめで美味しいレシピを覚える

酸味を活かした酢の物やマリネ、刺激のある香辛料を利かせた料理は食塩が少なくても美味しく味わうことが出来ます。干ししいたけ、かつおぶし、昆布などの旨味成分を利用すると、料理にこくが出ます。

食塩は食欲増進の効果があり、食塩が多く濃い味付けだと「美味しい」と感じ食が進みやすくなります。また、体内に食塩が多く入ってくると、体は塩分を薄めようとするため同時に喉が渇き水分を欲するようになります。体がむくみやすいという方は、薄味にして食塩摂取量を減らすとむくみ改善になります。

この記事の著者のプロフィール

加藤知子

管理栄養士、看護師

一般社団法人食サポートオフィス代表理事。主に医療機関に勤務し、通院患者さんの栄養状態の管理や外来での食事相談を担当。Webサイト・雑誌・書籍への掲載やレシピ提案も精力的に行っている。

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