クロス(生地)というテーブルウェアで食卓を飾る

2020.08.21

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お洒落なレストランや、パーティーや結婚式などの華やかな場面で必ず目にする「テーブルクロス」で飾られたダイニングテーブル。日本の食卓にも古くからテーブルクロスは掛けられているが、テーブル自体が汚れるのを防止したり、ホコリが被るのを防いだりと衛生面での意味合いが強いように感じる。

 

 

西洋の文化「テーブルクロス」

テーブルクロスを掛ける文化は、元々は西洋のモノだったと言われている。嗜みの一つともなっているフィンガーボウルと共に、その歴史は非常に古い。一般的に使用されるようになったのは8〜10世紀頃と言われており、今のような彩さや優雅さを与えたり、テーブルの汚れに配慮するという意味合いではなく、スプーンやナイフといった金属製品が出てくるまで、手掴みでの食事が多かったことから、手を拭いたり、口を拭いたりするナプキンのような存在として使用されていた。

中でも、クロスが純白だったり、家紋の入ったものは特権でもあり、シンボルでもあった。実際に、階級制度の色濃い13世紀頃のヨーロッパでは純白のテーブルクロスを貴族以外の市民が使用することを禁じられていたほどだ。

 

テーブルクロスの出現とテーブルマナー

テーブルクロスという文化が主流となり、手掴みでの食事が多かった西洋もスプーンやナイフといった金属製品の登場と共に、「テーブルマナー」なるものが貴族を中心に広がりを見せた。現代の我々にとっては馴染み深い作法でいうと、スプーンとナイフを使う順番や、皿の使い方、などの食事作法だ。これらを一括りで表す”テーブルコーディネート”は、明治維新とともに日本の食卓にも文化として根付いていった。明治維新以降、日本の食文化(食文化だけではないが)は急速な変化を遂げたのだ。

 

技術の進歩は食卓をより賑やかなモノに

時代が歩みを進めるとともに、当然のことながら織物技術は進歩を続けた。テーブルクロスも例外ではない。

印刷技術の進歩が始まると、今までは織物としてしか色付けできなかったものが、”プリント”という形で色付けができるようになり、カラフルで遊び心たっぷりのモノも登場し、バラエティに富むようになった。また、織目も複雑化し、繊細なデザインや細部に凝った作りをしたモノなども登場した。

 

ヴィンテージクロスを見つけだす

現行品の、大量生産された既製品が多い中で、差異化を図るのにピッタリなのがヴィンテージ(中古品やユーズド品、古物など)ではないだろうか。

時代の経過ととも、数が減ってくるヴィンテージクロスはどれも希少性が高く”他の人と被る”ことが無い。そのため、独自の世界観でテーブルクロスを楽しむことができる。中でも、白色のレース地の物の希少価値は高い。白地の生地は汚れが目立ちやすく、使用せずに保管していても日焼けをしやすい為、現代まで持ち越されることはなく捨てられてしまうのだ。レース地も同様に希少価値が高い理由として、網柄が様々で一つ一つ違うデザインのため、そもそもの数が少なく繊細な為、保管が難しく良い状態で市場に出回ることがない。

だからこそ、街の骨董品店やアンティークショップでの出会いを一期一会と理由づけて購入してみると、食事がいつもより楽しくなるのでは無いだろうか。

 

 

西洋の文化が色濃い「テーブルクロス」も、今では日本でも広く使用され、素材や色柄も多種多様化している。また、使用用途も食事のためだけではなく、部屋のインテリアのひとつとしてコーディネートを楽しむものともされている。テーブルを飾って、食事を楽しむ自分らしい空間を演出してみてはいかがだろうか。

この記事の著者のプロフィール

杉浦 雄貴

株式会社バンドオブブラザーズ 代表取締役

クリエイティブカンパニー株式会社バンドオブブラザーズを2017年に設立。ファッション好き・音楽好きというのを背景に、"食"にまつわる様々なカルチャーについての記事をお届けします。

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